第5回目、オトナゲないシェフをなだめつける、しっかりものの助手女子たち。映像演技初心者の2人に注目。カメリハ・オリジナル『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』スタート! 左から、みさきちゃん2号(初心者)、まいちゃん(初心者)、シェフ役・高原先生、みさきちゃん 今回は、映像演技初心者の、みさきちゃん2号と、まいちゃんが参加してくれました。 高原先生がシェフ役、女子3人が助手役です。 初心者のお二人は、 「演技はじめてなんで・・・(もじもじ)」 「撮影もはじめてなんで・・・(もじもじ)」 エプロンつけて、テンション上げるか! まずは、カメラなしのドライリハ。 初心者のみなさんが、演技をする時の、最低限のこころがまえを、高原先生とみさきちゃんがいろいろアドバイス。 ・大きな声ではっきりとセリフを言う。方言に気をつける。 ・3方向からのカメラで順番に撮るのでなるべく同じ動きをする。 ・演技の「間」や、流れをつかむ。 今回は「息のあったかけあい」も課題です。 そんでは、いっぺん撮ってみようか。 自分の演技は、映像でどう映っているでしょう。 初心者おふたり: 「!!!」 「なんか私、お芝居のじゃましてます!」 「はずかしい~」 ちょっと、まてまて。 高原先生&みさきちゃんはプロだぞ。二人と比べてどーする。 比べるのは「自分の演技」。 1回めの自分の演技は、練習した2時間半後どうなるか、やってみる? 初心者おふたり: 「みます!」 というわけで、 撮って→見て→演技修正、くりかえし開始。 最初のもじもじは、どこへやら。 自分で自分をダメ出しし、高原先生のアドバイスを聞きながら、試行錯誤を繰り返します。 映像演技特有の注意点は、いろいろありますが、あれもこれも一度にぜーんぶこなせないので、 もっとも大事にしなければいけない基本を、3点要望しました。 それは、 ①うまく演じなければ!という思いは、きれいさーーーっぱり捨て、 「気持ちを上乗せする」 助手役のバックグランドは、 ・働いているのは、有名レストラン。 ・3人は信頼しあっている、仲の良い同僚。 ・3人はシェフがウデがいいことも、よくわかっている。 ・シェフのくやしい気持ちはわかるけど、たかがツイッターごときにムキになるのは、 オトナゲない。これ以上炎上するの止めなきゃいけない。 こういった、役柄のバックグランドを、まずは自分に「上乗せ」します。 カンタンにいうと「ここはレストラン、私は料理人の助手、シェフをとめなきゃ」と 自分にいいきかせるカンジ。 ②「感情はムリヤリ作らず、似たようなケースに自分を当てはめてたり、 置き換えてみる」 →自分のまわりにこういうシチュエーションありませんか? 例:ふだんはちゃんとしてるのに、とるに足らない相手にとムキになる兄。 「んもー、そんなヤツほっときなよ~、いい年してみっともないってば~」 ③「相手のセリフをよく聞いて、リアクションする」 →まずは、相手のセリフをしっかり聞き、ココロを動かしてから、 セリフを言いましょう。 セリフは、「ココロという川の上に浮かんだボート」です。 川が流れなければ、ボートは動きません。 (セリフがない場合の演技も同じです。相手の言ったことにココロが動けば、 表情や体も、自然に動きが出てきます。) こまかい技術的なことは、あとまわしにして、 この3点を意識せずに撮ったTake1と、数時間後のTake3を比較してみましょう。 冒頭の部分のマスターショット(カット割りした時にベースになる画)を、 比較しやすいように、前半・後半に分けて編集しました。 ●Take1とTake3比較(前半・後半) 〇まいちゃん(右) Take1では「セリフをまちがえないように言わなきゃ」という本人自身の気持ちが 先走り、それが映像に映っていましたが、 Take3では、シェフやみさきちゃんのセリフをちゃんと受け止め、気持ちを上乗せしているのが、 わかります。 最初はややあきれている→なだめつける→必死にとめる→またあきれる というココロの動きが、ちょっとずつ、はっきりしてきました。 ワークショップ初参加、演技も、カメラの前に立つのもはじめて、しかもプロを相手に、 わずか数時間で、ここまでレベルあげられたら、たいしたもんです。 だんだんパニくる初心者だっているってのに、だんだんキモが座ってきてるやん。 役者さんのマスト条件「度胸」が備わっているため、 細かい技術的なことは、これからどんどん修正していけば、全然大丈夫。 〇みさきちゃん2号(中央) 実はみさきちゃん2号は、見学で応募してくれたのですが、せっかくなので、 「エキストラだと思って」と、ゴーインに参加してもらいました。 いまだ誤解している役者さんもいますが、実は、セリフなしの演技は、セリフありより、 むずかしい場合が結構あります。 また、エキストラは、そのヒトがいるかいないかで、シーンのおもしろみが変わり、主役・脇役を さらに引き立てる、ひとつの重要な役です。 Take1では、とりあえず「みんなについていかなきゃ」というカンジでしたが、 Take3では、気持ちを上乗せし「自分がどう動いたら、シーンが映えるか」、モニターを見ながら、 自分で修正してくれました。 相手の話をしっかり聞いて、リアクションしてくれているのが表情にしっかり表れています。 演技の「間」を、自分でつかみ、自然な動きになっています。 〇みさきちゃん(左) 助手役としても、今回のワークショップでも、「せんぱい」のみさきちゃんは、 高原先生と私から、「2人をぐいぐい引っ張りこめ~!」と大役を申し使わされ、 見事にこなしてくれました。 Take1では全体的にぎくしゃくしていたカンジを、Take3でよりスムーズになるよう、牽引しつつ、 みさきちゃんならではの「ココロと、カラダの動きと、セリフがきちんと整理された表現」で、 丁寧で安定感のある演技をしてくれました。 みさきちゃんは「ねらった演技」はしません。「役に真摯に向き合った演技」です。 また、「よーいスタート」で、すこんっと世界に入ると、「カット」がかかるまで、現実に戻ってきません。 (本人はしまった!と思っても、それが映像に映っていない) ●完成版! 3方向のカメラポジション(マスターショット、助手3s、シェフ正面)の、カット割りで、何度も撮りなおし、編集したのがこちらです。 「1台のカメラで撮影する時は、編集でつながるように、なるべく同じ動きで」 が、わかりましたか? ・片手で持っていたスマホを、どのタイミングで両手に持ち替えるか。 ・どのタイミングで、顔をあげたり、目線を動かしたりするか。などなど。 ポイントは、「自分がこう言ったあと」とか、「相手のこのセリフを聞いたあと」と、 自分自身でタイミングを決めると整理しやすいです。 (これは、はじめっからできるヒトいないので安心して!プロの役者さんだって、 みーんな、苦労してます。) もう、映像を見りゃ、わかりますが、「まばたき」は演技です。 (本物の映画やドラマはもちろん、高原先生や、みさきちゃんの「まばたきをコントロール」 している演技を見てください。これも、はじめっからできるヒトはまずいません。) みさきちゃん2号は、初撮影にもかかわらず、撮って見てをくりかえしているうちに、 目線とまばたきがコントロールされるようになりました。 ゴーインに参加してもらったのは、これが理由です。 最後にもう一度、「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の予告編!(1分10秒あたりから) 念押しますが、初心者がやってはいけないことは、 『プロの演技と、自分の演技との比較』。 やらなければいけないことは、 『最初の自分の演技と、数時間後、数か月後、数年後の自分の演技の比較』 です。 「んもー、またムキになって」 「自分の演技ダメだししてる!」 「いや、オレこのセリフの時さあ、ぶつぶつ・・・」 ・・・何十年も自分の演技比較して、つぶやいてる、プロもいます。 見習いましょう。 さて、 次回のテーマは「バッド・ティチャー」です。 「下心ありあり」の演技と、「下心なし」の演技、180度ちがう役に挑戦してみてください。 おつかれさまでした!
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Vol.24「英雄の証明」
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