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「超一流」と「ド素人」

12/1/2018

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Thank you for the invitation!  I'd love to! But...
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せっかくのおよばれしてもらったのに、私は宿題の〆切に追われ参加できず、
差し入れ持ってって、はぐして、ちゅーして、玄関で退散。
ううう。フィリピン料理食べそこねたっ。

おとなりの、Rちゃんはフィリピーナ。
うちの県営ゲットーは、住人の30%が外国人です。
ベランダ経由で、タマリンド(フィリピンの調味料)のいいにおいが、がたまらん。

今度およばれした時のため、話のネタに、フィリピン映画観とこと、探しに行ったらあった!

​「ローサは密告された」(監督:ブリランテ・メンドーサ)
​2016年のカンヌ国際映画祭・女優賞のジャクリン・ホセさん。

「超一流の演技」

​と、ドナルド・サザーランドに言わせしめた、ローサ役のジャクリンさんは、
カンヌ初の、フィリピンの女優さんだそうです。
先月のカメリハ、リアルな演技とはなんぞや?の時に、

「世の中には、これってドキュメンタリーじゃないの?!と、疑うぐらい、リアリティを追求した映画が、
あるよ」と言いましたが、これがそのひとつです。
​
ドキュメンタリーじゃないの?!と思えるぐらいの演出をする、私の大好きな監督は、
(ベルギーのダルデンヌ兄弟監督や、イランのアスガル・ファルハーディー監督など)
役者さん&カメラマンとともに、徹底的にリハーサルしていらっしゃるそうですが、
​
フィリピンの奇才・メンドーサ監督は、リハーサルしないどころか、役者さんに台本を渡さないそうです。
​
以下、CINRA NETのインタビューより
​メンドーサ:リハーサルをしないことで、なにかが起きたときのリアクションをそのまま撮影することができ、非常に生々しい演技を捉えることができます。俳優は台本を読み、解釈して演じることに慣れているわけですが、私が俳優に期待したいのは、物語のキャラクターを演じるだけでなく、そのシーンの「状況を経験して反応すること」。その状況に身を置いて自分をオープンにすることで映画のシーンに溶け込んでいく。それによって観客も映画的な経験ができると思います。
ただし、元になる台本は、徹底的なリサーチをして書いていらっしゃるそうです。
「観客も映画的な経験ができる」。たしかに、めちゃのめりこんで、観ちゃった。

こういう「麻薬犯罪・汚職警察24時間」みたいなものは、
カメラがずーーーーっとハンディということだけではなく、
台本なしでも、なんかセリフを言わなきゃいけない役者さんたちの素の緊張感が加味され、
独特な空気が出てきちゃうのだと思いました。
むしろ、カメラがFIXでも、隠し撮りっぽいみょうなリアリティが出るのかも。

この徹底したリアリティは、メインの役者さんたちの演技はもちろんですが、
スラム街の通行人のエキストラも。きっと、街中丸ごと演出していらっしゃる。

(・・・と、勉強になりましたが、お隣のRちゃんと「すごいねフィリピンの麻薬犯罪と汚職警察」という
話で、盛り上がるわけにはいかんがねっ。汗)

で!!!!

今度は「リアリティ」ではなく、「リアル」な話。

クリント・イーストウッド監督の最新作、実際にあった、列車テロの話。
「15時17分、パリ行き」。

何の予備知識もなく借りてきたため、最後の最後で、ようやく気がついて、
観てから、慌てて解説読んで、超超超びっくり。

こういうネタバレは、先にしといてもらいたい~。

大惨事になるところだった、列車テロを食い止めた、3人のフツーのおにーちゃんの役は、
なんと、本人たちが演じてたのです。

つまり「ド素人」さん。

予告編もそんなこと一言も書いてないじゃんっ。(上映するまでナイショだったんだな)

奇しくも、私は、

見始めてから数分後、うちの愚夫に、
「・・・イーストウッド監督、よくもまー、ほんとにどこにでもいそうな男のコたち3人も、
探してきたもんだわ。」

と、言っちゃったのです。

あまりにも、リアルで自然すぎる演技のため、
「オーディションで抜擢された、実力派新人俳優」だと思い込み、
私も愚夫も、ド素人さんだとは、気がつかなかった!! →愚夫よ、役者なら、見抜けよっ。

(どこで、気がついたかというと、
実話映画のラストによくある、「その後彼らは、故郷のヒーローとなり・・・」というスーパーとともに、
ニュース映像が流れるでしょ。それが、演じていた3人だったんです。
もっと言うと、「ここまで本人たちにそっくりな役者さんがいるとは」とまで思っちゃったぐらい。)


さらに、びっくりしたのは、
列車内でテロリストをやっつけるシーンでは、一緒に乗り合わせていた乗客も、刺された乗客も、
全員、本人たちだった!全員ド素人さん。

究極の「本人たちによる再現シーン」。
(さすがに、テロリストだけは役者さんのようですが)


​​「自分で体験したことない役は、似たような体験に置き換えて」と、えらそーに言ってますが、
こうなってくると、

本人が体験したことなら、たとえド素人さんでも、演技を超えるっちゅうことか??

最初は、当然、役者さんでやってもらう予定だったそうですが、ホンモノの3人があまりにも「いい顔」をしているので、やっぱり、本人たちにやってもらいたいと、変更になったそうです。
​
3人のおにーちゃんたちは、自分の役をだれが演じてくれるか楽しみにしていたら、まさかの出演依頼で、
エキストラでカメオ出演のことだと思ったらしい。
「ダーティハリーに会えるなんて」と、ノリノリで引き受けたらしいですが、さすが、テロリストやっつけたことだけあって、怖いものなどなにもないわさ。笑。

​イーストウッド監督、こんなムチャぶりして、しかも、めちゃめちゃ成功させちゃって。
84才、もう思い残すことはなかろう。

「超一流の演技」のカンヌ女優賞と、
「ド素人」3人組おにーちゃん。

ともにリアルな演技、どちらに軍配をあげるか。

ものすごく悩んだのですが、「ド素人」にしました。

というか、

もう、ここまでくると、演技してる本人たちもさながらですが、
その力を引き出した「監督」が一番スゴイという結論に達しました。

自分のいましめのためにも。涙。

クリント・イーストウッド監督、あともう一本、なんか、ムチャやらかしてください。
そもそも、だれの言うこともきかん、ダーティハリーなんだからさ。

​

今回の余談:
自分の座右の銘(?)は、ダーティーハリーの決めセリフ、
”Go Ahead, Make My Day"(やれるもんなら、やってみろ)です。
​
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    yumi otsuka

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