映像演技ワークショップ名古屋 ◙カメリハ
  • HOME
  • 開催情報
  • お申し込み
  • アーカイブ&YOUTUBE
  • 上映・公演・出演情報
  • ブログ

「さむらい」と「サムライ」

2/4/2017

0 コメント

 
うおおおー、ムビチケ当たった!
画像

お正月にスカパー観てて、なにげなく応募したら、当たりました。
これで、今年の運はすべて使い果たした。

デンゼルファンなのに、お金出さずに観て、むしろバチ当たる。
(さらに自供すると、今年の初映画館はコレ!と、豪語したのにもかかわらず、初は、
シネマテークのイスラム映画祭で、またインド映画。)

フークワ監督の「七人の侍」に対するオリジナル愛、リスペクトが、どれほどのものか、
確かめてきました。

ネタばれにならない程度に。

・フークワ監督・・・「七人の侍は、自分のDNAだ」の公言通り。きっちり遺伝している。

・デンゼル・ワシントン・・・志村喬さんが「七人の侍」で何度もくりかえした、
 あの演技(しぐさ)を、ここぞという時に継承! 志村喬さんが観たら涙する。

・クリス・プラット・・・なんやかんやでうまいこと三船敏郎さんを継承。

・イ・ビョンホン・・・ルパン3世の石川五エ衛門並みの和風で、なぞのアジア系。
 この手の「実はわけあり」の役を、すごく繊細にかもしだしていた。

・ヴィンセント・ドノフリオ・・・千秋実さんの役柄、平八と思われる役、熊みたいで
 さいこー。舞台役者さんらしさが随所に。

・マヌエル・ガルシア=ルルフォ・・・ラティーノ実力派というかんじ。
 こういうハリウッド大作ではなく、メキシコの文芸的な映画にも出るんだろうなー。

・イーサン・ホーク・・・最近、おいしすぎる! イケメン路線にはもう戻れない。
 「トレーニング・デイ」では、デンゼルワシントンに、もっていかれちゃったけど、
 最近は、なんだか病的で、ひとクセある役が似合いすぎる。
「実はわけあり」の役を、こちらも繊細にかもしだしていた。

・マーティン・センズメアー・・・個人的に大注目。インディアンくん、
 本物のアラスカ原住民俳優さんだった。ネイティブインディアンと日本人って、
 顔立ちよく似ているので、そのまんま弓矢もって時代劇出てほしい。


このように、七人の侍の「身分制度」を超えたサムライのDNAは、
「人種問題」を超えた(ついでにLGBTも)サムライにすり替えられ、継承されました。
時代考察が、すごく徹底していることもわかりました。
観とけよっ、トランプ。

「荒野の7人」の、あのテーマ曲がエンドクレジットに使われましたが、途中から、
なぜか、尺八入りの「和風アレンジ」になっていました・・・。
フークワ監督、それはリスペクトしすぎですっ。

しかし、あの永遠に続くアクションを、あんな見事にカット割りできるなんて、
もー、職人芸だ。


さて、

日本ではなにかと、「さむらいナントカ」と、さむらいをつけて、
その勇姿をたたえていますが、私は、いつも違和感を感じます。
なぜなら、日本で言う「さむらい」と、
世界が言う「サムライ」では、意味がかなり違う。

実は、日本のおっさんたちの根っこにある「さむらい」は、
「忠臣蔵」を代表するような「主君に仕える忠誠心」。
源頼朝がシステムをつくった封建制度。
組織のため、会社のため、主君のために尽くす。
赤穂浪士のように、屈辱的な扱いを受けた主君のため、みんなが一丸となり、
命を懸けて仇討ちをする。
『恥』が基準になっている日本の歴史文化は、
「忠義・礼節」が何よりの美学だからです。


一方、世界のひとたちが、日本人を褒める時の、カタカナの「サムライ」は、
身分制度は関係なく、義理もへったくれもなく、
『善・悪(正義)』判断基準で、戦うひとのことをさします。
つまり、正しい行いや、毅然とした態度を持つヒトのこと。
特に欧米では「キリスト教」がベースだからです。


まさに「七人の侍」は、後者のカタカナのサムライ。
組織に属さない浪人(アウトロー)、だれの指図でもなく、
主君のためでも、お金のためでもなく、名誉や地位のためでもなく、
ただ『善(正義)』のために戦います。

「七人の侍」が世界的に、共感を得て、理解され、世界にも意味が通じ、
高く評価されたのは、まずそこです。
この7人が、世界がいうところの、日本人=サムライ観。

ちなみに「忠臣蔵」は、ガイコクジンには全く理解不能だそうです。
「いくらボスのためだからって、47人でヒトゴロシ?それ犯罪じやない。
神が許さないよ。ボクは加わらないよ」(←これでは47人も集まらんがね)

フークワ監督が、DNAという意味も、そこです。
マグニフィセント=正義は、時代や国が変わっても、受け継ぐことができる。
志村喬さん役を、デンゼル・ワシントンができます。

もちろん、会社や組織に属し、まじめに一生懸命働いている人たちを。
心から尊敬しています。(自分には、もうできないから)

しかし、常に上司の顔色うかがいながら、
自分自身を守るために、
強い者にはめっぽう弱く、弱い者にはめっぽう強く、
「自分は、日本人だから、さむらい魂を持っている」というひと、

どちらの、おさむらいさんですか?

0 コメント



メッセージを残してください。

    画像

    「21世紀」と「25人」(暫定)

    アジアン3ショートフィルム上映会・最新版更新!

    「再入選」と「再上映」

    「メロン」と「レッド」

    ナゴヤアーティストエイド・その2

    ナゴヤアーティストエイド・その1

    「フィリピーノ」VS「ジャパニーズ」
    ​
    「26冠め」と「アイルランド!」

    8/19-21 ゆうばり日報

    ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020・タイムテーブル公開

    「倍返し」と「恩返し」

    「25冠め・ゆうばり」と「国内映画祭初入選!」

    「資生堂」と「ハイニッカ」

    カメリハ再度当分お休みに着き「夏休み」と「春休み」

    「23冠めジャカルタ」と「24冠めプネー」
    「青」と「黒」
    「ヘアメイク」と「続・ニューヨーク」
    「2021上映会のお知らせ!」と「アーティスト・エイド」
    「クオモセクシャル」と「ボスビッチ」
    「父」と「ペン」
    「22冠め」と「ニューヨーク!」
    「Close」と「Distance」
    「英断」と「再放送」
    「市長」と「知事」と「総理」と「大統領」
    「21冠め」と「ハリウッド!」
    「不要」と「不急」
    カメリハ当分お休みにつき「自習」と「宿題」
    ​

    2/23ACA日報<後半>「上映」と「まさかの授賞式」
    ​2/23ACA日報<前半>「バレーボール」と「正方形」
    ​2/22ACA日報「家族愛」と「友情愛」
    2/21ACA日報「ロケハン」と「ご飯会」
    2/20ACA日報「ネイサンくん」と「マニラ序章」
    速報!ACA、最優秀アジアンフィルムオブザイヤー2020
    「ジプニー」と「ジョリビー」
    ​「寄生虫」と「ウィルス」
    「交流会」と「鑑賞会」と「映画レビュー」
    「月」と「テレビ」
    ​「キジョン」と「ジェシカ」
    「ファーストカット」と「ラストカット」
    「20冠めロサンゼルス」と「名古屋再上映会」
    「18冠めマニラ」と「19冠めカンヌ」
    10/11-12MFWおまけ日報「ジャパン」と「ジャカルタ」
    10/10MFW日報<後半>「嵐」と「ムスメ」
    10/10MFW日報<前半>「助っ人」と「助成金」
    10/9MFW日報「パスタ」と「お寿司」
    10/8MFW日報「お茶漬け」と「ソト」
    10/7MFW日報「白い肌」と「黒い髪」
    10/6MFW日報「現地」と「へき地」
    10/5MFW日報[「開会式」と「デンパサール」
    「15冠め・16冠め・17冠め」と「バリ序章」
    「ソニー」と「コピ」
    「くつ」と「チップ」
    「糸切りばさみ」と「洗濯ばさみ」
    「14冠めアメリカファーゴ」と「ビジネスクラス」
    「13冠めポンディシェリ」と「プレミア!」
    「12冠めカンボジア」と「IMDb」
    「10冠めチュニジア」と「11冠めトルコ」
    ​緊急速報:インド・コールハープルより
    ​「8冠めメキシコ」と「9冠めインド」
    ​「めだか」と「忍者」
    ​「ゲイ」と「カウボーイ」
    ​「すし」と「海軍」
    ​「7冠め」と「フィリピンマニラ」
    ​イスラム圏初入選!「6冠め」と「インドネシアバリ島」
    インドの「神」と「女神」
    「ウィーン終了」と「Danke schön」danke-schon.html
    「アジアティカ」と「パッドマン」
    ブカレストwinnerに昇格!「20か所上映」と「校内上映」
    ​「ポン」と「3級」
    ​火田詮子さまへ「4冠めブカレスト」と「5冠めウィーン」
    ​「3冠め」と「モスクワ」
    ​「¡!」と「 ¿?」
    ​「ペネロペ」と「アントニオ」
    ​2冠め・「あらすじ」と「企画意図」
    「呪縛」と「トラウマ」
    ​「エイミー」と「アーミー」
    ​「半世界」と「新世界」
    ​「007」と「ビッグマック」
    ​「反骨」と「犯罪」
    ​「インド」と「ルピー」
    ​「嵐」と「エンパイア」
    ​「スペイン語」と「Netfilx」
    ​1冠め「日本の母」と「インドの父」
    「ジョーズ」と「スターウォーズ」
    続々・「キング」と「クィーン」と「Top10」
    ​「超一流」と「ド素人」
    続・「キング」と「クィーン」
    ​「塩」と「アプリコット」
    ​「キング」と「クィーン」
    「マダム」と「ワル」
    ​「モンスター」と「ハムスター」
    ​「ダリ」と「キカ」
    ​「白」と「オレンジ」
    「ゾンビ」と「エイリアン」
    「MA」と「完成」
    ​「ホラー」と「コメディ」
    ​「砂の器」と「宿命」
    ​「予告編」と「クイズの答」
    ​編集・後半
    ​編集・前半
    「Day4」と「カメオ出演」
    ​「Day3」と「コンドルが飛んで、来た」
    「Day2」と「ワールドカップ」
    「Day2前」と「消えモノ」
    ​「Day1」と「ファーストカット」
    「ショートホープ」と「サングリア」と「しるこサンド」
    「カンヌ」と「ハリウッド」
    「コンテ」と「コンドル」
    「セルバンデス」と「たけのこ」
    「インド」と「金メダル」
    「Love」と「Peace」
    ​「セーラー服」と「機関銃」
    「神」と「女神」
    「インディペンデント」と「ひつまぶし」
    ​「イチロー」と「シアトルマリナーズ」
    ​「ハリー」と「ミルドレッド」
    「アモーレ」と「灯台」
    ​「出待ち」と「手羽先」
    ​「血」と「血」
    続・「小手先」と「奥深さ」
    「小手先」と「奥深さ」
    「希望」と「願望」
    「忍者」と「殺陣」と「アクション」
    「15分」と「1分」
    ​「三度目」と「日系二世」
    ​勉強中の女優さんへ「ストロー」と「エプロン」
    ​「飛騨」と「広島」
    ​「パターソン市」と「パターソンさん」
    ​「センス」と「技術」
    「youtuber」と「お好み焼き」
    ​「インド」と「理不尽」
    ​「絵文字」と「船酔い」
    ​「インド」と「タイ」
    ​「イカ」と「クジラ」
    ​「セールスマン」と「おこさま」
    ​「ロマンポルノ」と「こしあんドーナッツ」
    ​「21世紀」と「25本」と「12年」
    ​「インド」と「ピザ」
    「月」と「すっぽん」
    ​「ヒカキン」と「Vagan Black Metal Chef」
    「温故」と「知新」
    ​「やじ馬」と「現場見学」
    ​「沈黙」と「信仰心」
    ​「さむらい」と「サムライ」
    ​「ガラパコス」と「トランプ」
    ​「わらう」と「見切れる」
    ​「役者」と「自転車」~演技初心者のみなさんへ~
    ​「新作」と「旧作」と「万作」
    ​「2017」と「7」
    「インド」と「東京」
    ​「インド」と「ナゴヤ」
    「もどき」と「天気」
    「コーヒー」と「アニメ」
    ​「1:1」と「16:9」
    「デヴィッド」と「デヴィッド」
    「オトナゲ」と「職業病」
    「フォンダ」と「レモン」
    続・「初代」と「シン」
    ​「殺人鬼」と「保安官」
    「桜」と「マーガレット」
    「スパイ」と「ギャング」
    「初代」と「シン」
    「楽屋」と「ゴジラ」
    オーディション
    待ち時間
    ​正解の演技
    正解の演出
    撮影で一番大事なコト
    ​カメリハはじめます。

    アーカイブ

    1 月 2021
    12 月 2020
    11 月 2020
    10 月 2020
    9 月 2020
    8 月 2020
    7 月 2020
    6 月 2020
    5 月 2020
    4 月 2020
    3 月 2020
    2 月 2020
    1 月 2020
    12 月 2019
    11 月 2019
    10 月 2019
    9 月 2019
    8 月 2019
    7 月 2019
    6 月 2019
    5 月 2019
    4 月 2019
    3 月 2019
    2 月 2019
    1 月 2019
    12 月 2018
    11 月 2018
    10 月 2018
    9 月 2018
    8 月 2018
    7 月 2018
    6 月 2018
    5 月 2018
    4 月 2018
    3 月 2018
    2 月 2018
    1 月 2018
    12 月 2017
    11 月 2017
    10 月 2017
    9 月 2017
    8 月 2017
    7 月 2017
    6 月 2017
    5 月 2017
    4 月 2017
    3 月 2017
    2 月 2017
    1 月 2017
    12 月 2016
    11 月 2016
    10 月 2016
    9 月 2016
    8 月 2016
    7 月 2016
    6 月 2016
    5 月 2016

    著者

    yumi otsuka

    RSS フィード

パワーの元は、 カスタマイズ可能なテンプレートを使用してあなただけのウェブサイトを作成しましょう。
  • HOME
  • 開催情報
  • お申し込み
  • アーカイブ&YOUTUBE
  • 上映・公演・出演情報
  • ブログ